選挙の日
5.選挙の日
「一年生は体育館に集まってください。二、三年生は指示があるまでまだ待機してください」
放送が入ると、外がざわつきだす。そんなざわつきの山を越えて、一足先に六人が集まった。
「演説するのは私だけだけど、名前と役職はみんな言ってね」
六人で集まったのは、これで三度目だろうか?
先生の号令の下、打ち合わせをしただけなのでお互い(特に和田くんとは)話すことはなかった。
しかし、一年生が入場し、二、三年生もぱらぱらと集まりだす頃。
ずっと舞台袖に居続けると、流石に暇を持て余したのか小声での会話が弾んでくる。
楓とも、クラスの二人とも話しなれていた私は、敢えて彼……和田くんに話しかけた。
「和田くんってさ、文系??」
「ううん。一応理系だよ」
「マジで!?」
先日の文章を思い出し、私は目を丸くした。
あのような文章を書く人なら絶対文系だと思っていた。
それなのに、理系で……この能力??
私の驚きように彼もびっくりしたらしく、少し戸惑っているようだった。
「あ~…正確に言うと、「理系を目指している」っていうのかな?数学より国語得意だし。でも将来の方向は理系なんだよね」
「なるほど。それじゃあ私と反対だね。私、文系になりたい理系なの」
夏休み前の試験も化学は良かったが、国語はいまいち奮わなかった。
初めての試験で慣れていないせいもあるのだろうが…「高校の古典」の難しさに頭を抱えてしまう。
「古典」については和田くんも同じ考えではあるみたいだった。
低すぎるくらいのバスの音は、少し聞き取りにくかったが、小声なりに試験の話で盛り上がっていた。
やっぱり目の前の選挙より、その先に控えている試験を気にしてしまう。
私一人しか喋らないわけだし、この調子じゃ適当だもんな…
袖からフロアを覗くと、結構な人数が集まっていた。しかし、いっこうに静まる気配はない。
「……うちの学校は小学校だったっけ?」
「むしろ動物園だよ。これじゃあね…」
いつのまにか他のメンバーもフロアを覗いていて…そろって溜め息をつく。
「司会の言葉も聞いてなさそうだし」
「こりゃ10分はかかるな」
「10分で済めば良い方かもね」
選挙はまだ、始まりそうにない。
| 固定リンク

コメント
ゆうですw
困ったときには「文系?理系?」から話を切り出してましたww
単純だけど、一応進学校だったので、結構共感できることとか多かったり。
更には、将来の話とか過去バナにも発展できる興味深い話題です(笑)
まぁ、大学では無理ですけど☆
ってことで、めっちゃ遅くなりました!!
今回の「試験の気にしぐあい」・・・まさに今のゆうでもあります。
25日から試験!さっきまで生物やってましたぁ・・・。
相変わらず、原稿は火曜に出来てたけど打ち込む暇がありませんでした↓↓
ってことで、前もって。
来週は更新無理です!!
でもでも、書き溜めてある「付き合い始めてからのトモとゆう」の一部を載せるかもしれません。
ほんとに短いやつ・・・ww
投稿: ゆう | 2006年7月17日 (月) 01時00分