« さよならのあとに・・・ Ⅰ | トップページ | さよならのあとに・・・ Ⅲ »

さよならのあとに・・・ Ⅱ

駅のホームへ降り立つときには、もうどうすべきかわかっていた。


人の波に逆らい、ホームのベンチに腰掛ける。
そして、人が疎らになったところで携帯のボタンを押す。








ワンコール鳴るごとに緊張が増していく…





柄にもなく、どきどきしている自分がいた。















『もしもし…』





4コール目で彼が出た。







「私…ごめんよ、いきなり…」


『ううん、いいよっ…』








気まずい沈黙。







たった2時間で、こんなにも変わっちゃうんだ…




そう言うと、彼はなんとなく笑った。
















今なら…言える
















「…今…あの時と同じ場所にいるの」


『うん…』


「君は新潟じゃないけど。…何かいいよね」


『そうだね』










「それでね…もう最後になっちゃうかもしれないから……言いたいことがあるの」


『……うん』





電話の向こうから緊張が伝わってきた。




私の緊張も…伝わってるのかな…













「いっつも…たくさん愛してくれてありがとう。

普段は感謝の欠片もないような態度しかとれなかったけど、ホントはすっごく嬉しかった。
こんなに優しくされてたのに、ずっと当たり前みたいに思ってて…今になってやっとわかったの。



私…こんなに大切に扱ってもらってたんだね。










……ありがとう…」













彼は無言だった。

否……言葉が出なかったんだろう。携帯の向こうから嗚咽が聞こえてきた。




収まってきた感情が再び溢れ出す。滴る雫を今度は拭うことなく、言葉を継ぐ。









「服のセンスとか悪いし、見た目でかっこいいとか一回しか思ったことないけど…



……でも…大好きだったよっ……」














とめどなく伝う涙をやっと拭い始めた時、彼が言った。




『ありがとう……凄く嬉しい…』


「もう言ってやんないもん…バカ…」


『…ゆう。俺、頑張るから』


「頑張れ、浪人生…」


























あぁ、やっと笑えた気がする――
























初めての告白は涙と笑顔で幕を閉じた。

|

« さよならのあとに・・・ Ⅰ | トップページ | さよならのあとに・・・ Ⅲ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。