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さよならのあとに・・・ Ⅰ

無理があるなんて、とっくにわかってた。

でも、心のどこがでずっと否定してきた。



それを認めてしまった時、今まで築き上げてきた全てのものが壊れてしまう…



そうなるのが怖かったから。











さよならのあとに・・・ Ⅰ






携帯が小さく震え、一通のメールの着信を告げた。

おそるおそるメールを開くと、そこには虚しい言葉達が並んでいて、私の心を蝕んでいった。

霞んでいく画面を睨みつけ、震える手でボタンを押していく。
やはり、内容は空虚なものだった。




もう…終わりの瞬間が見えていたのかもしれない。








手の中にあった携帯が再び震えだした。
ずっと強く握っていたためか、携帯はうっすらと汗をかいている。

メールの受信ボックスを開き、緊張を和らげるように大きく息を吸い込んだ。





ぎゅっと目を瞑り、ボタンを押す…。




ゆっくりと、表れた画面に目を通した。

















『来年の3月の終わりにまた会おうよ



今の俺じゃ何もできないや



それまで 離れよう』




















自然と、涙が頬を伝った。



自分が電車内という公共の場にいるのにも関わらず、声を押し殺して、こみ上げてくるものを吐き出した。




気付けば袖口まで涙の染みができていて…
慌ててタオルを取り出すが、それはたいした意味を持たず、こぼれ落ちた雫は水玉を描いた。



声にならない言葉たちが、雫と共に溢れ出す。




















何駅も何駅も通り過ぎ、いつのまにか見慣れた風景の中を通っていた。

















帰りの電車を待つ間、買ってくれたポテト。奢ってもらってたくせに、私ばっか食べていて。
それでも、「美味しそうに食べててかわいい」なんて言ってくれた。





最寄り駅まで一緒に帰るのは週に一回って決めてたのに、喧嘩したら解決するまでわざわざついてきたりして。
しかも喧嘩の理由は思い出せないくらい馬鹿らしくて…単なる勘違いだって分かったときは笑うしかなかった。

でも、少しでも長くいられるのが嬉しくて、同じことを繰り返しちゃう。






私の最寄り駅まで来ると、いつも心配そうに見つめてくる。
降りるとお金がかかりすぎるし、そんな時間もない。そんなジレンマもあったね。









そうやって一緒に帰った記憶も、今ではただ悲しいだけ。














…私は、彼に何かしただろうか?










私ばかり、たくさんのモノを貰って

私ばかり、たくさんの愛を貰って








私は…何かあげただろうか?







私は、ろくに「好き」とも言わなければ、「愛」を感じさせてもいない。

ただ、私の寂しいときに側にいて、私のツラいときに話を聞いてもらってた。












結局、私は愛されっぱなしだ。












こんな私相手で、よく今まで続いたと思う。









こんな私でも、最後にできることがあるかな…。

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